関節リウマチ

関節リウマチとは

関節リウマチとは、関節とその周辺の骨、軟部組織などに炎症が生じる病気です。免疫の異常によって、手足の関節に痛みや腫れが生じ、進行すると骨や軟骨が破壊され関節の可動域が狭まり、日常生活に支障をきたすようになります。症状は、手がこわばる、手足の関節が痛い、腫れる、熱っぽいなどがあります。

関節リウマチ

症状

関節リウマチの主な症状は、関節の腫れと痛みが伴うところにあります。
関節リウマチの症状が進行すると関節の軟骨が壊され、脱臼や変形が生じます。
さらに関節リウマチの症状がひどくなると仕事、家事など日常生活に不便を感じるようになり、状況によっては介助が必要になってしまいます。

診断

関節リウマチかどうかの診断は、問診、血液検査、診察などに基づき行います。
関節リウマチと診断するための主な項目

  • 腫れ、痛みがある関節数
  • 関節の痛み、腫れの持続期間
  • 血液検査による数値

治療方法

治療法としては、薬物療法、手術、リハビリテーションがあります。
薬物療法・・・関節の痛み、腫れ、その進行を抑制します。
手術・・・破壊された関節を人工関節に取り換えます。
リハビリテーション・・・関節の可動域を広げるなどの運動療法、患部を温め痛みなどを取り除く温熱療法があります。

その他の代表的な疾患について

変形性股関節症

症状

具体的な原因はわかっていませんが、軟骨に変性が起こることで、股関節痛が生じる病気です。
生まれつき股関節の骨盤側の形が小さい臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)や、出生前後の環境因子や先天性因子が原因の発育性股関節形成不全(はついくせいこかんせつけいせいふぜん)などによって生じることがあります。
女性に多く見られますが、それは臼蓋形成不全や発育性股関節形成不全などの小児期の股関節の異常が女性に多いと考えられるからです。また年齢と共に発症割合は高くなります。

診断

十分な問診を行い、歩行状態、痛みの部位、股関節の動きなどを診察し、X線検査(単純X線撮影やMRI検査)を行います。
X線検査では、関節軟骨のすり減りや骨の変化、股関節周囲の骨の増殖の程度、関節の適合性などを調べます。

治療方法

変形性股関節症の治療目的は、痛みの緩和と症状進行の抑制です。
初期の変形性股関節症は、日常生活の中でどの場面で痛みが強くなるか確認し、関節の調子に合わせて薬を投与するなどの保存療法が中心となります。

保存療法とは、痛みを嫌い運動をしなくなると筋肉が衰えてしまうため、体重のコントロールや安静、杖の使用、温熱療法などの理学療法、湿布、塗り薬、消炎鎮痛剤の内服などで痛みをコントロールして痛みの緩和と症状の進行を抑制することをいいます。

変形性膝関節症

症状

変形性膝関節症は、骨折、半月板や靭帯などの摩耗や変性から始まり、やがて骨全体の変形が生じます。2004年のデータによれば男性(840万人)より女性(1,560人)の方が多く、加齢とともに発症確率が高くなります。
変形性膝関節症は「一次性」のものと、「二次性」のものに大別することができます。変形性膝関節症の多くは、加齢に伴い筋肉の衰えや肥満、無理な動作など多くの要因が絡み合って膝への負担となり、膝の関節軟骨がすり減って発症します。このように明確な原因が特定できない場合を「一次性変形性膝関節症」といい、一方、けがや病気など原因となるものがはっきりとしている場合を「二次性変形性膝関節症」といいます。一次性の内側型関節症(膝関節には内側と外側の関節裂隙がありますが、このうち主に内側の関節に変化が生じるタイプ)が大部分を占めます。
変形性膝関節症は、初期の段階では関節軟骨のすり減りが進んでいないため、自覚症状はほとんどありませんが、徐々に関節軟骨のすり減り進行してくると、歩行時の膝にかかる負担の増加や軟骨、半月板の変性による刺激により関節炎が生じます。
具体的には、関節液が多量に分泌されて膝に水がたまりだし、関節内部の圧力が高まり、関節が不安定で血流が悪くなり、簡単な膝の曲げ伸ばしだけでも痛みが生じるようになります。逆に関節内のヒアルロン酸は減少しますので、関節の痛み、炎症、動きが悪くなるなどの症状が生じます。

診断

問診や診察、時に触診で膝内側の圧痛の有無、痛みの出かた、関節の動きの範囲、腫れやO脚変形などの有無を調べX線検査で診断します。必要によりMRI検査、関節液検査、血液検査などをします。

治療方法

初期段階は、痛みを抑制するための内服薬や外用薬を使ったり、膝関節内にヒアルロン酸の注射などをします。
また大腿四頭筋強化訓練、関節可動域改善訓練などの運動器リハビリテーションにより筋肉の強化と膝の柔軟性の維持を目指します。
また膝を温めたりする物理療法も行っています。足底板や膝装具を作成することもあります。
このような保存療法でも効果が得られない場合には手術治療を検討します。これには関節鏡(内視鏡)手術、高位脛骨骨切り術(骨を切って変形を矯正する)、人工膝関節置換術などがあります。